「預置金証」という借入証書を使い在日商工人らから1人1億円の借り入れを秘密裏に行った在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の実務責任者だった当時の副議長、許宗萬(ホ・ジョンマン)は、返済の督促に対して、こう答えたという。
だが、返済訴訟で朝鮮総連側の敗訴が確定してから約1年半がたった今もその言葉は実行されていない。
京都市在住の詩人で建設会社経営の宋在星(ソン・ジェソン)は、平成元年12月、在日朝鮮人系信用組合「朝銀京都」の理事長(当時)を通じて朝鮮総連に1億円を貸した。バブル経済崩壊の影響もあり会社の資金繰りなど財政的に厳しかったが、借りた側から連絡をしてくるのが筋と考え、当初は平成7年12月の返済期限を過ぎても催促せずにいた。
「返済期限はとっくに過ぎたが、どうなっているのか」。8年に入り、何のおとさたもなかったことが気にかかり、宋在星は仲介役となった朝銀京都の理事長にただした。
「総連中央本部も分かっているから、少し待ってやってほしい」。旧知の理事長のこの言葉を信じ、もう少し待つことにした。
理事長側も、返済期限が過ぎていたことが気になり始めていた。8年秋。全国朝銀の上部機関である「在日本朝鮮信用組合協会」(朝信協、既に解散)の副会長に就任していた理事長は、朝信協会長と許宗萬との会食に同席。席上、返済の督促に許宗萬は冒頭の「できるだけ早く」と回答するにとどまったという。